涙、滴り落ちるまで
地獄の死神
僕は、適当に町を歩く。
1人で大丈夫とか言ってみたけど、やっぱり不安だな……。
立ち止まると暗くなりかけた空を見上げて、僕はため息をついた。空を眺めてるだけで、何だか切なくなってくる。
「……僕は、この感覚……好きだけどね」
そう呟いて、僕は空に向かって微笑んだ。そして、町を歩き始める。
そういえば、ソルは黒い光を放つブレスレットを付けてるのが地獄の死神だって言ってたよね……じゃあ、僕があの時見た水色髪の子は……地獄の死神だってこと?
僕は、悪霊と戦ってた時に見かけた水色髪の子のことを思い出した。確か、あの子は黒い光を放つブレスレットを付けてた気がする。
僕の近くには半透明の女の子が立ってて、女の子は僕を見つめてる。
「……どうしたの?」
僕が女の子に近づこうとすると、女の子は「来ないで!」と走り去っていった。
「待って!」
僕が女の子を追いかけようとした時、僕の目の前に悪霊が姿を現す。悪霊の手には、銃が握られていた。
「……っ!」
黒色の光弾が、僕の頬を掠める。僕は、呪術で刀を作り出すと構えた。
「……」
……だけど、悪霊は次々と光弾を放って来るから、悪霊には近づけそうにない。