涙、滴り落ちるまで
「……っ」

クララ様は、そう言って何度も攻撃を仕掛けてきた。僕は、自分の刀で攻撃を弾くので精一杯。

「……ライラの奴、何でこんな奴を死神にしたんだ……」

攻撃を止めたクララ様は、僕を蹴り飛ばすと嘲笑って僕を見る。蹴り飛ばされた時、刀を落としてしまった。音を立てて、刀が地面に落ちる。

「お前、見た目通り弱いよな」

僕の服を掴んで、クララ様は笑った。

「仕方ありませんよ。僕は、まだ一人前の死神じゃありませんので」

「そんなこと知るか。良いか?弱い者は、死ぬまで弱いままなんだ。強くなれないんだよ」

「……」

僕は、クララ様の言葉に何も言えなくなる。

弱い者は、弱いまま……?強くなれない……?

「……私はお前が嫌いだ。弱いくせに、死神になったお前がな。弱い奴に、死神になる権利なんてねぇよ」

そう言って、クララ様は僕をもう一度蹴ると姿を消した。

「……」

僕が塀にもたれかかるようにして座ってると、僕の目の前にライラ様が姿を見せる。

「……ライラ様……?」

「瑠依、大丈夫ですか?ちょっと嫌な予感がして、地上に来たのですが……」

そう言って、ライラ様は微笑んだ。ライラ様なら、クララ様のことを知ってるかもしれない。

「……さっきクララ様に会いました」

僕は、さっきの出来事をライラ様に話す。ライラ様は、驚いた顔で僕を見た。
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