涙、滴り落ちるまで
「……クララは、私の双子の姉です。私とクララは、貧乏な家で生まれ育ちました。しかし、性格や価値観の違いで良く喧嘩をしたものです……死んでしまって、私は天国に、クララは性格が悪い故に地獄に送られました。そして……私たちは、死神になって、女神へとなったのです」

「……死神って、神様になれるんですか?」

「いえ。普通はなれません。私とクララが特別だっただけです」

そう言って、ライラ様は空を見上げる。そして、空を睨んで何かを考え込んだ。

「……クララは、もう地獄に帰ってしまったみたいですね……それでは」

ライラ様は、僕に微笑むと姿を消す。僕は、空を見上げてため息を付いた。

「ん?」

視線を感じて辺りを見渡すと、近くにある電柱の後ろから半透明の女の子が顔を出して、僕を見つめている。

あの子……僕が近づいたら、逃げ出した子だ……。

「……」

僕が近づくと、女の子は僕に背を向けて走り出した。

「待って!」

僕は近くに落ちてた刀を拾うと、女の子を追いかけようとする。

「……っ!」

僕の目の前に数匹の悪霊が現れて、僕は刀を構えた。悪霊を見据えて、悪霊に向かって走ると悪霊を浄化していく。

刀を薙ぎ払って、空高く飛び上がって振り下ろして……。
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