涙、滴り落ちるまで
全部浄化した後、立ち止まって辺りを見渡すけど女の子の姿は見当たらなかった。

……とりあえず、探すか。

僕が女の子を探そうと歩き始めたその時だった。どこからか誰かの悲鳴が聞こえてくる。

「……っ！」

僕は、悲鳴が聞こえてきた方向に向かって走り出した。走ってると水色髪の子……透かな？が誰かに刀を突き付けてるのが見えて、僕は立ち止まる。

ゆっくりと、透は僕の方を向いた。

「……誰かと思えば……瑠依か」

刀を下ろしながら、透は妖しく笑う。透が刀を突き付けていたのは、僕がさっき見かけた女の子の霊だった。

「……だから、僕の邪魔をしないでって言ったよね？」

透は、僕に近づくと僕を睨んだ。

「僕らの邪魔をするから、天国の死神は嫌いなんだ」

「……」

僕が無言で透を見ていると、透は無表情で僕を見る。

「……クララ様の邪魔をするなら……」

そう言って透は、僕に刀を向けた。

「相手が誰だろうと手加減しないから」

僕に向けていた刀を下ろすと、透は微笑む。そして、刀を消した。

「……地獄の死神は、クララ様の命令で動いている。クララ様が怒れば……僕らは、君たちに何をするか分からない……だから、なるべく僕らの邪魔をしないでくれないかな？」
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