涙、滴り落ちるまで
女の子は「お兄ちゃんは……私をさっきの悪霊みたいに斬るの……?」と泣きそうな顔になった。

「斬らないよ。死神は、君の未練を断ち切る仕事……つまり、霊の悩みを解決する仕事もしてるんだ」

「霊の悩み……」

「君の悩み、良かったら僕に聞かせてくれないかな?」

僕が問いかけると、女の子は頷く。

「私、松宮 佳奈……よろしくね」

松宮 佳奈って……保護して欲しいってライラ様に頼まれた……。

「よろしくね」

僕は、佳奈さんに微笑んだ。
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