涙、滴り落ちるまで
近くにある小さな机の上には、手紙や写真が散らばっていた。その写真を見て、佳奈は「……私が小さい時の写真だ……」と呟く。

写真に近づいて、佳奈は写真を眺めた。どの写真にも佳奈が写ってるみたいで、佳奈は懐かしそうに目を細める。

「……佳奈?」

誰かの声がして、僕と佳奈は同時に顔を上げた。窓の外を眺めてたはずの佳奈のお姉さんが、僕らの方を向いている。

「……お姉ちゃん……?」

佳奈は、佳奈のお姉さんに近づいた。佳奈のお姉さんは、しっかりと佳奈を見ると優しく微笑む。

佳奈のお姉さん……もしかして、霊感が強いのかな?

「……佳奈、ごめんね。お姉ちゃん……佳奈を守れなかった……私が弱いから。私が病気じゃなかったら、私は佳奈を守れたのに……」

佳奈のお姉さんの瞳から、涙が零れ落ちた。佳奈のお姉さんは、腕で涙を拭うと佳奈に近づく。

「……お姉ちゃんは、弱くないよ……」

佳奈が言うと、佳奈のお姉さんは佳奈を抱き締めた。確か、霊感が強い人って霊や死神に触れることが出来るんだっけ。

前にソルから聞いたことを思い出しながら、僕はその場で見守ることにした。

「佳奈……私を迎えに来てくれたの?」
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