涙、滴り落ちるまで
「違う……お姉ちゃんに、色々と伝えたくて来たんだ……」

佳奈の言葉に、佳奈のお姉さんは佳奈を見つめる。

「……入院前、私を色んなところに連れて行ってくれたり、私に物を買ってくれたりしてくれたでしょ?嬉しかった……ありがとう!でも、お姉ちゃん……もう無理をしないで!」

佳奈は、そう言うと泣き出した。佳奈のお姉さんは、優しく微笑むと佳奈の頭を撫でる。

「無理はしてないんだ……私は、ずっと佳奈の笑顔を見ていたいんだ……だから、笑おう?」

「……寂しいよ。お姉ちゃんに会えなくなるなんて……」

「大丈夫だよ。天国でまた会える……先に天国で待っててくれる?」

佳奈は、佳奈のお姉さんを見上げるとにこりと笑って「うん!」と笑った。

もう大丈夫……佳奈は、このまま成仏出来そうだ。

僕はふっと笑うとソルを追いかけようと、歩き出す。

「瑠依お兄ちゃん!」

病室から出ようとドアに手を触れた時、佳奈に呼ばれた気がして佳奈の方を向いた。佳奈と佳奈のお姉さんは、僕を見つめてる。

「……ありがとう……私、お兄ちゃんのおかげでお姉ちゃんに感謝を伝えることが出来た!もう思い残すことは無いよ」

佳奈は、幸せそうに笑うと体が光出した。その光は、僕のブレスレットの中に入ってく。
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