涙、滴り落ちるまで
「……気に入ってもらえたようで良かったよ」

ソルさんは、畳の上に座る。僕は、体を起こすとソルさんを見つめた。

「……とりあえず、今日から勉強しようか。俺、何年と死神をしてるけど……先生をしたことが無いからな。何から教えたらいいか、分からないけど……この世界はね。3つの世界から作られてるんだ。天国、生きた人間が住まう地上、地獄……」

ソルさんは、色々と教えてくれた。霊には、普通の霊と悪さをする悪霊の2種類がいること、死神は霊や悪霊を天国へ導いてあげる仕事をしていることなど。

「……説明は、これくらいで良いかな。よし……じゃあ、次は……」



ソルに戦い方を教えてもらった僕は、ソルさんと手合わせすることになった。

木刀を構えて、僕はソルさんを見据える。そして、ソルさんに向かって走り出した。木刀を振り被って、ソルさんに向かって振り下ろす。

ソルさんは、それを軽々と避けた。僕は次々に攻撃をしてくけど、ソルさんは全部避ける。

僕が攻撃をしようと木刀を振り下ろした時、ソルさんは持っていた木刀で僕の木刀を弾いた。その衝撃で、木刀は円を描いて飛んでいく。

「……」

僕に近づいたソルさんは、無言で僕に木刀を突き付けた。

「……瑠依の今の強さじゃ、悪霊も倒せない……悪霊と戦っても死ぬだけだ」
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