涙、滴り落ちるまで
祐希さんの後をついてしばらく歩くと、祐希さんはさっき綾と再会した広場に建てられたテントの前で立ち止まった。
「……ここって……」
「ボク……ここから遠い町で暮らしてた時……お母さんに連れられて、近くにあった小さなサーカスを良く見に行ったことを思い出したんだ……数年前の話だけど。ボク、その小さなサーカスにいた青髪のお兄ちゃん好きだったんだ……顔は、良く覚えてないけど」
祐希さんの言葉に、綾は僕を見つめる。祐希さんの話を聞く限り、多分祐希さんは僕のことを言ってるんだと思う。
「そのお兄ちゃん、顔を真っ白にせずに涙マークだけ描かれてなかった?」
綾の問いかけに、祐希さんは元気よく頷いた。
「瑠依のことだね。そう言えば、瑠依は何で顔を白く塗らなかったの?」
「……僕、顔に何かを塗るって苦手なんだ……団長にそう言ったら、特別に許してくれた。だから、僕は顔に涙マークだけしか描かなかったんだ……涙マークだけは描いてほしいって言われたから」
僕の言葉に、祐希さんは僕をじっと見つめる。
「……もしかして……サーカスのお兄ちゃん!?」
「そうだよ」
僕が微笑むと、祐希さんは僕の手を掴むとキラキラと目を輝かせた。
「ボク、初めてサーカスを見た時……お兄ちゃんのような人になりたいなって思ったんだ!!」
「……っ!」
祐希さんの言葉に、僕は驚いてしまう。
「……ここって……」
「ボク……ここから遠い町で暮らしてた時……お母さんに連れられて、近くにあった小さなサーカスを良く見に行ったことを思い出したんだ……数年前の話だけど。ボク、その小さなサーカスにいた青髪のお兄ちゃん好きだったんだ……顔は、良く覚えてないけど」
祐希さんの言葉に、綾は僕を見つめる。祐希さんの話を聞く限り、多分祐希さんは僕のことを言ってるんだと思う。
「そのお兄ちゃん、顔を真っ白にせずに涙マークだけ描かれてなかった?」
綾の問いかけに、祐希さんは元気よく頷いた。
「瑠依のことだね。そう言えば、瑠依は何で顔を白く塗らなかったの?」
「……僕、顔に何かを塗るって苦手なんだ……団長にそう言ったら、特別に許してくれた。だから、僕は顔に涙マークだけしか描かなかったんだ……涙マークだけは描いてほしいって言われたから」
僕の言葉に、祐希さんは僕をじっと見つめる。
「……もしかして……サーカスのお兄ちゃん!?」
「そうだよ」
僕が微笑むと、祐希さんは僕の手を掴むとキラキラと目を輝かせた。
「ボク、初めてサーカスを見た時……お兄ちゃんのような人になりたいなって思ったんだ!!」
「……っ!」
祐希さんの言葉に、僕は驚いてしまう。