涙、滴り落ちるまで
「そうだよ……もう手伝えることはなさそうだし、僕は帰るよ」

「透、手伝ってくれてありがとう」

僕が微笑むと、透は「別に」と言って僕らに背を向ける歩き出した。

「……そうだ。僕の名字が知りたいって言ってたっけ」

そう言いながら立ち止まった透は、僕らの方を振り返る。

「僕の名前は、星川……星川 透だ」

そう言って、透は姿を消した。

「……星川……?」

いつの間にか僕の隣にいた綾は、そう呟いて首を傾げる。

「星川 透……どこかで聞いた覚えがある……」

「瑠依、一体何があったの?」

ソルの問いかけに、僕は簡単にさっきまでの出来事を話した。

「……なるほど……ちょうど良いかも。瑠依、この子は私が見てるから……瑠依とソルは天国に帰って、仕事して来なよ」

「……そう言うことか……瑠依、今から案内役の仕事を教えるよ。一旦天国へ帰ろうか……」

ソルの言葉に、僕は「分かった」と頷いた。
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