涙、滴り落ちるまで
「……そうですか……瑠依、私は家に帰ります」

そう言って、ライラ様は姿を消す。僕は立ち上がると、外に出た。

「瑠依」

声をかけられて声がした方を向くと、そこにはソルと陽菜……そして、僕らと同じような格好をした綾が立ってる。

「……綾……?」

「私、今日から死神になるための修行をしようと思ってるんだ……そこで、瑠依にお願いがある。私に、死神のことを教えて欲しいんだ……」

「僕で良いの……?上手く教えられる自信なんて、ないけど」

僕が答えると、綾は「瑠依が良い」と僕を見つめた。

「……分かったよ」

僕は、綾の言葉にそう返すと微笑む。

「ありがとう……そうだ。瑠依に会えたら、言いたいことがあったんだ……私には、瑠依の辛さが分からない。でもね、私は……瑠依がずっと辛い思いをしてたこと、それでも頑張って生きていたことを知ってる……もう頑張らなくて良いんだよ」

「……っ!!」

そう言って、綾は優しく微笑んだ。

綾は、僕がずっと欲しかった言葉をくれた。再会した時も、「良く頑張ったね」って言ってくれた。

その言葉が嬉しくて、僕は綾に笑ってみせた。
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