涙、滴り落ちるまで
「瑠依さん、こんにちは。佳奈が、どうしても瑠依さんのジャグリングを見たいと……」

佳奈の隣にいた佳奈のお姉さんが、そう言って僕を見た。

「……こんにちは。ジャグリング、ですか……分かりました。なら、広場に行きましょうか」

僕が微笑むと、佳奈は「やった!!」と笑う。僕らは、家から少し離れたところにある広場にやって来た。

この広場は僕らが死神の修行をする時に使ってる場所とは違って、この村に住む霊たちで賑わってる。

僕はその広場の中心に立つと、呪術を使って3つのボールを作り出した。

「……突然ですが、今から皆様に笑顔になれる魔法をかけたいと思います」

そう言って、僕はジャグリングを始める。

僕は空を飛び交うボールを見てるから分からないけど、僕がジャグリングを始めた途端周りは静かになった気がするから……皆、僕のパフォーマンスを見てるんだろうな。

僕はふっと笑うと一旦ジャグリングを止めて、ボールの数を5つに増やしてジャグリングを始めた。

「……凄い……」

僕は数分間ジャグリングした後、ボールを両手に持って礼をする。色んな人から拍手をされて、僕は笑った。

「……」

ソルは、僕をじっと見つめている。その瞳には涙が溜まってて、僕は驚いた。
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