涙、滴り落ちるまで
「……瑠依、悪いんだけど……私と仕事変わってくれない?このままだと、ソルは……」

そう言って、陽菜は口を閉じると目を逸らした。

「……ソルを、助けたいんだ……私は。生前の記憶を思い出しつつあるソルを……」

「どういうこと……?」

僕が問いかけても、陽菜はそれ以上何も言わなくなった。話しづらそうに、陽菜は僕を見つめる。

「……話したくなかったら、話さなくていいよ。僕は、綾と一緒に仕事をすれば良いんだね?」

僕の言葉に、陽菜は頷いた。

「綾花ちゃんは、今総合病院の近くで悪霊と戦ってるよ」

「……分かった」

僕は、陽菜の言葉に頷くと走り出す。後ろから「晴輝」と誰かの名前を呼ぶ声が聞こえてきたような気がした。



「……」

僕は空高く飛び上がると、悪霊の後ろから斬り掛かる。突然、僕の体は吹き飛ばされた。

「……瑠依!?」

僕は空中で体勢を整えると、綾の近くに着地する。綾の声に綾の方を向くと、綾は驚いた顔で僕を見つめてた。

「……陽菜と変わったんだ。ソルの様子がおかしかったから」

「ソルくんの様子が……?」

綾の言葉に、僕は「うん」と頷くと悪霊を見据える。僕が刀を構え直すと、綾は悪霊に向かって走り出した。

綾の片手には、刀が握られてる。
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