君がすべてを忘れても、この恋だけは消えないように
あなたが恋をさせてくれた
*
映画は、流行りの少女漫画が原作の青春恋愛ストーリーだった。
だけど私も樹くんも、原作の漫画を読んだことがなかったから、内容はまったく知らない状態での鑑賞だった。
前半はコミカルな場面と恋愛が絡んだ場面が半々くらいで、ドキドキしながらも楽しい気分を味わえる退屈しない映画だった。
だけど後半になり、ヒロインが大病に侵されていることが発覚し、ふたりの恋愛が壊れてしまいそうになる。
思い合っているふたりなのに、一度離れ離れになってしまった。
ど、どうなっちゃうんだろう。
好き同士なんだから、ずっと一緒に居て欲しいよ……。
ヒロインに感情移入してしまって、私は泣きそうになりながらストーリーを見守る。
泣くのを堪えるのに必死で、肩を震わせてしまった。
手にも力が入り、拳をぎゅっと握りしめてしまう。
ここが大勢人のいる映画館じゃなければ、遠慮なく大泣きしていただろう。
――すると。
「……!」
そんな私の手を、樹くんは自分の手のひらで優しく包み込んだ。
驚いた私が樹くんの方を見ると、彼は私に向かって微笑んで、ゆっくりと頷いた。
――きっと、大丈夫だよ。
映画は、流行りの少女漫画が原作の青春恋愛ストーリーだった。
だけど私も樹くんも、原作の漫画を読んだことがなかったから、内容はまったく知らない状態での鑑賞だった。
前半はコミカルな場面と恋愛が絡んだ場面が半々くらいで、ドキドキしながらも楽しい気分を味わえる退屈しない映画だった。
だけど後半になり、ヒロインが大病に侵されていることが発覚し、ふたりの恋愛が壊れてしまいそうになる。
思い合っているふたりなのに、一度離れ離れになってしまった。
ど、どうなっちゃうんだろう。
好き同士なんだから、ずっと一緒に居て欲しいよ……。
ヒロインに感情移入してしまって、私は泣きそうになりながらストーリーを見守る。
泣くのを堪えるのに必死で、肩を震わせてしまった。
手にも力が入り、拳をぎゅっと握りしめてしまう。
ここが大勢人のいる映画館じゃなければ、遠慮なく大泣きしていただろう。
――すると。
「……!」
そんな私の手を、樹くんは自分の手のひらで優しく包み込んだ。
驚いた私が樹くんの方を見ると、彼は私に向かって微笑んで、ゆっくりと頷いた。
――きっと、大丈夫だよ。