君がすべてを忘れても、この恋だけは消えないように
 想像しただけで嬉しさと気恥ずかしさでいっぱいになって、変になってしまいそうだった。

 だけどやっぱり、嬉しくてたまらない。


「う、うん。今度……」


 私はやっとのことでそう言った。

 ――やっぱり私、樹くんのことが好き。

 自分の気持ちに気づいてからずっと、彼とは釣り合わないとか、絶対報われないだろうから、諦めた方がいいって頭では考えていた。

 「私なんか」って考えちゃダメって前に樹くんに言われたけれど、やっぱり「私なんかが樹くんの彼女になれないよね」って、どうしても考えちゃう。

 だけど樹くんは好きな気持ちはどうしても抑えられなかった。

 好きで好きでたまらなくて、四六時中樹くんのことを考えてしまう。

 もう自分の気持ちに嘘なんてつけなかった。

 その後、私たちは再度館内を少し回ってから、利用者登録をしてお互いに本を何冊か借りた。

 そして借りた本を読み終わるころにまた一緒に来ようって、約束をした。

 借りた本が入り、少し重くなった鞄を抱えて樹くんと図書館から出る私。


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