君がすべてを忘れても、この恋だけは消えないように
積極的に
*
ノートの彼とは、その後もやり取りが続いていた。
一度病気の話は終わったので、今度のテストの範囲がどうだとか、あの先生面白いよね、とか他愛のない話をした。
ある日、図書室でひとりで図書委員の仕事をしていた時、私はいつものようにノートを開く。
彼は『ショッピングモールの中のカフェのケーキ、うまいよね』と書いていた。
あ、そこって何度も樹くんと行ったところだなあ。
樹くんもいつもケーキをおいしそうに食べていたっけ。
ノートの彼も、あそこのケーキが好きなんだ。
ますます顔も知らない彼に親近感が湧く。
そしてそれと同時に、最近すべてのことを樹くんに結びつけてしまう自分が、ちょっと嫌になった。
――あーあ。私また樹くんのこと考えてちゃってる。
カフェでケーキをシェアした時のこと。
本の感想をふたりで楽しく言い合ったこと。
私が過去のトラウマを打ち明けた時に、本気で怒ってくれたこと。
あー、もう!
ノートの彼がカフェについての書き込みなんてするから、カフェでの樹くんばっかり頭に浮かんじゃうじゃない!
自分の止められない恋心へのいら立ちを、ノートの彼に思わず八つ当たりしてしまう私。
そこでふと、少し前のノートの彼の書き込みを思い出した。
そう言えば、この人も好きな人がいるって言ってたっけ。
そして病気だから諦めるって言ってたんだ。
ノートの彼とは、その後もやり取りが続いていた。
一度病気の話は終わったので、今度のテストの範囲がどうだとか、あの先生面白いよね、とか他愛のない話をした。
ある日、図書室でひとりで図書委員の仕事をしていた時、私はいつものようにノートを開く。
彼は『ショッピングモールの中のカフェのケーキ、うまいよね』と書いていた。
あ、そこって何度も樹くんと行ったところだなあ。
樹くんもいつもケーキをおいしそうに食べていたっけ。
ノートの彼も、あそこのケーキが好きなんだ。
ますます顔も知らない彼に親近感が湧く。
そしてそれと同時に、最近すべてのことを樹くんに結びつけてしまう自分が、ちょっと嫌になった。
――あーあ。私また樹くんのこと考えてちゃってる。
カフェでケーキをシェアした時のこと。
本の感想をふたりで楽しく言い合ったこと。
私が過去のトラウマを打ち明けた時に、本気で怒ってくれたこと。
あー、もう!
ノートの彼がカフェについての書き込みなんてするから、カフェでの樹くんばっかり頭に浮かんじゃうじゃない!
自分の止められない恋心へのいら立ちを、ノートの彼に思わず八つ当たりしてしまう私。
そこでふと、少し前のノートの彼の書き込みを思い出した。
そう言えば、この人も好きな人がいるって言ってたっけ。
そして病気だから諦めるって言ってたんだ。