君がすべてを忘れても、この恋だけは消えないように
 そのことについては、彼はもうそう決断しているから私から何かを言うことは無いけれど……。

 彼は私に恋愛相談をした。

 きっとそれって、私がそういう相談ができる相手だって信頼してくれたってことだと思う。

 私もノートの彼に、相談したらいいんじゃないの?

 ちなみに樹くんを好きだっていう気持ちは、まだ誰にも言っていない。

 琴子に言ったら、心から応援はしてくれるだろうけれど告白を急かされそうだし……。

 由佳ちゃんも私と樹くんをくっつけるために何か仕掛けてきそうだし……。

 そういうわけで、まだひとりでいろいろ考えてから行動したかった私は、友人達には言っていなかったのだ。

 でもこのノートの彼ならば。

 顔も名前も知らないこの人なら。

 ノート上でのやり取りだけで終わるし、相談するなら打ってつけじゃない?

 そう思いついた私は、意を決してノートにこう書き込んだ。


『実は私も好きな人ができました。でも、積極的に行くのが苦手だし、嫌われたらどうしようって思っちゃうんだ~』


 書いている間に「やっぱりやめようかな」って思って、何度か手が止まってしまったけれど。

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