君がすべてを忘れても、この恋だけは消えないように
昔ふたりの間にあったことを聞いた時は、悟に対して怒り狂ったけれど、悟は本当に反省をしているようだった。
そうだ、こいつは基本的にいい奴なのだ。
幼い時から一緒の俺は知っている。
ラブレターを書いた栞に「気持ち悪い」と言ってしまったのだって、ずっとずっと後悔していたのだろう。
悟は俺が病気だって知っても、「ふーん」と言うだけで、いつも通りに接してくれた。
他の親族からは腫れ物を扱うかのような態度を取られていたので、悟のそんな態度は俺にとって救いだった。
そんな悟だから、俺は安心して栞を任せられる。
俺のような、あと少しで確実にいなくなる奴なんかより、栞には悟と一緒にいてほしい。
「だから頼むよ、栞のこと」
俺は努めて軽い口調で言った。
へらっと笑ったつもりだったけれど、力のない笑みになってしまった気がする。
悟は本当に困ったような顔をした。
「なんだよ頼むって……」
「悟、栞のこと好きだったんだろ。今だっていいなって思ってんだろ」
「……そういう問題じゃないし」
そうだ、こいつは基本的にいい奴なのだ。
幼い時から一緒の俺は知っている。
ラブレターを書いた栞に「気持ち悪い」と言ってしまったのだって、ずっとずっと後悔していたのだろう。
悟は俺が病気だって知っても、「ふーん」と言うだけで、いつも通りに接してくれた。
他の親族からは腫れ物を扱うかのような態度を取られていたので、悟のそんな態度は俺にとって救いだった。
そんな悟だから、俺は安心して栞を任せられる。
俺のような、あと少しで確実にいなくなる奴なんかより、栞には悟と一緒にいてほしい。
「だから頼むよ、栞のこと」
俺は努めて軽い口調で言った。
へらっと笑ったつもりだったけれど、力のない笑みになってしまった気がする。
悟は本当に困ったような顔をした。
「なんだよ頼むって……」
「悟、栞のこと好きだったんだろ。今だっていいなって思ってんだろ」
「……そういう問題じゃないし」