君がすべてを忘れても、この恋だけは消えないように
どんなあなたでも
*
病院に到着すると、樹くんは集中治療室へ運ばれることになった。
大きな病気には生まれてこの方縁がなく、入院もしたことがない私は詳しいことはわからない。
だけど集中治療室って、重症の人が入る部屋なんじゃないっけ……。
いまだに苦しそうに小さく呻いている樹くんが、集中治療室へ入って行く様子を見ながら、私はそんな不安に襲われていた。
そしてその部屋の前のベンチに、私は悟くんと一緒に腰を下ろした。
――すると。
「こんな場面を見られたら、もう黙っておくのは無理だね」
病院に到着すると、樹くんは集中治療室へ運ばれることになった。
大きな病気には生まれてこの方縁がなく、入院もしたことがない私は詳しいことはわからない。
だけど集中治療室って、重症の人が入る部屋なんじゃないっけ……。
いまだに苦しそうに小さく呻いている樹くんが、集中治療室へ入って行く様子を見ながら、私はそんな不安に襲われていた。
そしてその部屋の前のベンチに、私は悟くんと一緒に腰を下ろした。
――すると。
「こんな場面を見られたら、もう黙っておくのは無理だね」