君がすべてを忘れても、この恋だけは消えないように
 ――こんなに何度も私を元気づけてくれた強い樹くんが頑張っているんだ。 

 だから私は不安になっちゃダメだ。

 樹くんを信じて、応援しないと。

 手術の結果、例え樹くんが私を忘れたとしても、もう一度好きになってもらうように頑張ればいいんだ。

 私は鞄からボールペンを取り出して、こうノートに書いた。


『ずっと一緒だよ、樹くん』


 初めて樹くんの名前をノートに書きこんだ瞬間。

 手術室の扉の上の、「手術中」というランプの点灯が消えた。
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