君がすべてを忘れても、この恋だけは消えないように
いつもそんな樹くんの周りには人が集まっている。
今だって、一声出しただけですでに十人近くが彼の周りに寄ってきた。
私にも、何回か話しかけてくれたことがある。
先生が呼んでたよとか、肩にゴミついてるから取っといたわ~とか、些細な用事だったけどね。
髪の毛の色のせいか、チャラそうな印象がある。
私とは対照的過ぎて、ちょっと樹くんには苦手意識があった。
彼のことは何も知らないけれど。
まあ別に、深く関わることは無いだろうけどね。
彼とは住む世界が違うのだから。
だけどその後、午後の授業が終わって掃除当番に当たった私が、ひとりで教室の床をほうきで掃いていたときのことだった。
「栞ー。なんでひとりでやってるん?」
「え……」
急に樹くんに話しかけられて、びっくりした。
すでにクラスメイトのほとんどは帰っちゃっていて、教室内には私と樹くんを含めて五人くらいしかいなかった。
樹くんなら、友達と真っ先に帰りそうなのに、なんでまだ残っているんだろう。
そしてあんまり話したこともないのに、いきなり名前を呼び捨てにされて、私は戸惑っていた。
今だって、一声出しただけですでに十人近くが彼の周りに寄ってきた。
私にも、何回か話しかけてくれたことがある。
先生が呼んでたよとか、肩にゴミついてるから取っといたわ~とか、些細な用事だったけどね。
髪の毛の色のせいか、チャラそうな印象がある。
私とは対照的過ぎて、ちょっと樹くんには苦手意識があった。
彼のことは何も知らないけれど。
まあ別に、深く関わることは無いだろうけどね。
彼とは住む世界が違うのだから。
だけどその後、午後の授業が終わって掃除当番に当たった私が、ひとりで教室の床をほうきで掃いていたときのことだった。
「栞ー。なんでひとりでやってるん?」
「え……」
急に樹くんに話しかけられて、びっくりした。
すでにクラスメイトのほとんどは帰っちゃっていて、教室内には私と樹くんを含めて五人くらいしかいなかった。
樹くんなら、友達と真っ先に帰りそうなのに、なんでまだ残っているんだろう。
そしてあんまり話したこともないのに、いきなり名前を呼び捨てにされて、私は戸惑っていた。