君がすべてを忘れても、この恋だけは消えないように

守ってくれたみたい




『今日もどっか行かない?』


 図書館ノートに、『もしかして病気なの?』っていうメッセージを書き込んだ次の日のこと。

 返事くれるかな、本当に病気だったらどうしようって、思わず私が授業中に悩んでしまっていたら、樹くんからそんなメッセージがスマホに届いた。

 え?

 また一緒に出掛けてくれるの?

 この前保健室を抜け出してショッピングモールに行った後、樹くんは確かに私に『またつきあってよ』とは言ってくれたけど……。

 半分くらい、社交辞令だって思っていたから私は驚きと嬉しさで、跳び上がりそうになってしまった。

 もちろん授業中だったから、堪えたけどね。

 今日は図書委員の当番はないし、放課後は暇だ。

 私はすぐに『うん、行きたい!』と樹くんに返事をした。

 するとすぐに『おっけー。じゃあ放課後な』と樹くんから返ってきた。

 わたしはそれに対して、はしゃいでいるうさぎの絵のスタンプを送る。

 そして、そわそわして授業を受けながら、私は放課後を待った。

 あまり集中できず、先生の話をよく聞けなかった。

 いつも以上に、授業が長く感じてしまった。

 ――私、なんでこんなに楽しみにしてるんだろう?

 確かにこの前、樹くんとお出かけした時は楽しかったけれど……。

 授業にまで身が入らないなんて、私どうしちゃったのかな。

 そんな風に考えながら私は授業をやり過ごし、やっと放課後になった。

 帰りのホームルームが終わり、私が帰りの準備をしていると。


「おまたせ、栞」


 樹くんが私の席の近くにやってきて、声をかけてきた。

 ――ええ!

 は、早いっ。

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