君がすべてを忘れても、この恋だけは消えないように
待ち受けとしおり
*
「栞ってゲーセンに行ったことある?」
校門を出てから樹くんが私の顔を覗き込みながら尋ねてきた。
い、いちいち距離が近い気がする。
だけどとても自然な感じだし、やっぱり樹くんって誰にでもこうなのかなあ。
きっとデートって言ったのも、あまり深い意味はない……よね。
「行ったことはあるけど、そんなにないかなあ……。ここ何年かは行った覚えはないよ」
ゲームをやる習慣がない私にとって、ゲーセン……ゲームセンターという場所は疎遠だった。
よく一緒に遊ぶ琴子も興味がないようだし。
小学校の頃、家族で出かけた時にUFOキャッチャーで遊んだのが、下手をすると最後に行ったときかもしれない。
「そうなの? よし、じゃあ今日はゲーセン行こ」
「えっ……。でも私、ゲーム普段全然やらないから、すごく下手だと思うよ」
できなさすぎて呆れられてしまうんじゃないかって、私は不安になる。
だけど樹くんは、首を横に振りながらこう言った。
「大丈夫大丈夫! いろんなゲームあるから。ね、行こ」
「……う、うん」
そこまで言われてしまえば、断るのも悪い気がした。
私は樹くんに圧されるような形で、頷いてしまった。
――大丈夫かなあ、本当に。
そう思いながらも、樹くんに連れられてゲームセンターへと辿り付いた私。
「栞ってゲーセンに行ったことある?」
校門を出てから樹くんが私の顔を覗き込みながら尋ねてきた。
い、いちいち距離が近い気がする。
だけどとても自然な感じだし、やっぱり樹くんって誰にでもこうなのかなあ。
きっとデートって言ったのも、あまり深い意味はない……よね。
「行ったことはあるけど、そんなにないかなあ……。ここ何年かは行った覚えはないよ」
ゲームをやる習慣がない私にとって、ゲーセン……ゲームセンターという場所は疎遠だった。
よく一緒に遊ぶ琴子も興味がないようだし。
小学校の頃、家族で出かけた時にUFOキャッチャーで遊んだのが、下手をすると最後に行ったときかもしれない。
「そうなの? よし、じゃあ今日はゲーセン行こ」
「えっ……。でも私、ゲーム普段全然やらないから、すごく下手だと思うよ」
できなさすぎて呆れられてしまうんじゃないかって、私は不安になる。
だけど樹くんは、首を横に振りながらこう言った。
「大丈夫大丈夫! いろんなゲームあるから。ね、行こ」
「……う、うん」
そこまで言われてしまえば、断るのも悪い気がした。
私は樹くんに圧されるような形で、頷いてしまった。
――大丈夫かなあ、本当に。
そう思いながらも、樹くんに連れられてゲームセンターへと辿り付いた私。