小説「グレイなる一族」
私はこの問題に対する答えに到達することなく、昼過ぎにはまた振り出してきた小雨の為、「グランマ」は布団をしまいこんで、「グレイ広場」の窓は再び閉められてしまったのだ。私は大きな無力感と一握りの安堵感を味わっている・・

野良「ミャーあ♪・・みゃあーん♪」

野良は、三度鳴いている飢えと再び振り出した小雨の為その声は、ものすごく寂しそうに私には聞こえてならない、私は閉められた「グレイ広場」の窓に飛び乗ると・・異世界で戦っている野良と目が合いとっさに・・

グレイ「にゃにゃニャン♪(グレイスマイル)」

で照れ笑いしてしまった・・本当にどうにもならない時は笑みを浮かべてしまうものだとつくづく思ったのであった・・それを見た野良は、私の「グレイスマイル」に対し「フン!」と俯いてまた何処かに歩いて行ってしまった。

I am GALY・・
私の名は、グレイ

その後、食器棚を整理していた「グランマ」が忘れられていた「焼き鰹節スティックバージョン」を見つけると私に与える素振りを一度は示そうとしてくれたのだが・・

グランマ「あら・・これ賞味期限が切れてるわ・・残念これは食べれないわ・・また買ってきてあげるわ・・だからグレイちゃん我慢ね」

そう言うと私の「焼き鰹節スティックバージョン」も何処かに消えてしまい・・今まで我慢していたわけで・・もちろん「グランマ」の又ねの約束はそれ以降も果たされる事もなく・・こんな事なら野良に素直に与えていればよかったと思う由緒正しき誇り高き高貴な生き物の一族の末裔の思案として、完全に失敗したなと思う今日この頃である。

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