小説「グレイなる一族」

エピソード四拾蜂 「グレイなる歴史」

エピソード四拾蜂「グレイなる歴史」

I am GALY・・
私の名は、グレイ

私は、かくかくじかじかの理由で(面倒なのでエピソードの最初の方読んでくれ)この「グレイランド」の長となった由緒正しき誇り高き高貴な生き物の一族の末裔である。

時節は夏本番のものすごく暑い日の事で私はこの暑さに不平不満を言わずに「グランマ」
の胸元で日課の「熱き抱擁」をしている時に語られたこの「グレイランド」の先代となられる「太郎」なる統治者の事を彼女が語ってくれたのである。

その昔、「グランマ」や「セバスチャン」達はこの長方形の建物の二階ではなく・・何処か私の知らない異世界に彼女が住んでいた頃のお話だそうだ。彼女の話によると、先代の「太郎」がやはり私と同じように彼女達の元へ現れ「太郎ランド」なる国を統治していたそうな・・

「太郎」はものすごく赤ちゃんの時に、彼女達が当時住んでいた一軒屋の入り口にダンボ
ールの中に入れられてある日の朝置かれていたそうな・・「太郎」はもちろん赤ちゃんの為、自分の目さえも見えない頃の事で突然、暗闇の狭い部屋に閉じ込められその一軒家に運ばれて来た事を想像すると、何だか・・ものすごく私という生き物と似ている気がして親近感を覚え私は「グランマ」の話に暑さも忘れ聞き入っていた。

「先代太郎」は、ものすごく赤ちゃんの頃目も見えず母たる者を知らず乳さえ飲んだ経験すらなかったので、「グランマ」はスポイドなる物にミルクを入れ「太郎」の口元に運ぶなど大変な苦労したみたいだ。補足だがこの頃の「セバスチャン」はまだ「アーノルド」よりも小さい頃でまったく「グランマ」の助けになどならなかったのは言うまでもなく私も聞いていて、その「セバスチャン」は今現在と大して役に立たないという点ではそう変わらないと思うのだが・・それは言わないであげるだけの優しさを私は有しているので言わないでおく・・

< 108 / 211 >

この作品をシェア

pagetop