小説「グレイなる一族」
しかし、「私で遊んで」と言われても、私は「お馬さん」にもなれないし「トランポリン」にもなれないのだ。もちろん先のように「サンドバック」になるつもりもないのだ、しかし「まっつあん」がこの「グレイランド」にやって来てから、「セバスチャン」や「グランマ」などの私に対する様子がなんかよそよそしいのは気のせいだろうか?「まっつあん」がこの国にきてから、あれだけ「グレイ様」「グレイ様」と毎日しつこかった「セバスチャン」は、私の顔を見てもうんともすんとも言わず、「まっつあん」がそこらじゅうに「まっつあんスマイル」で微笑みかけただけで単純な「セバスチャン」などは、顔中の筋肉という筋肉をゆるゆるに緩めて・・デヘへへ状態になってしまうのはいくら「不要のセバスチャン」だからと言って、許しがたい行為だ。

グレイ「あれほど私が一番だって言ったじゃない・・」

「まっつあん」の力は由緒正しき誇り高き高貴な愛らしい容姿を持っている私と同等か考
えたくもないがそれ以上なのかも知れない。しかし、彼女はまだ赤ちゃんなのだ由緒正し
き誇り高き高貴な生き物でこの「グレイランドの長」として、ジェラシーなどおくびにも出してはいけない。とりあえず「セバスチャン」に懐いているのだ。たかが「セバスチャン」一匹、たかが「セバスチャン」一匹、されど「セバスチャン」一匹・・

グレイ「あれほど私が一番だって言ったじゃない・・あの言葉嘘だったの?」

多分嘘だろうな。

セバスチャン「すまない・・僕には愛するまっつあんがいるんだ。」

グレイ「ひどいわ・・ひどいわ・・まっつあんなんて大嫌い!!」

ここまではグレイの妄想である。{By神様(作者)より}

そうやって、私の「まっつあん」に対する感情は昼ドラ並みに燃え上がっていったのである。もしもここで殺人事件でも起こっていたら、片平なぎささん率いる「火曜サスペンス」に昇格していたかも知れない。もはやこの物語において、「まっつあん」は重要なキャラとしての脅威を誇っており、「まっつあん」という枠を超えたので、「エリス」に改名する事としよう。

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