小説「グレイなる一族」
アノル「アノル兄さん・・手を離して」

「アノル」がそう言うと、断片的な映像は私の脳内に母の最期の記憶を映しだした。

母「これからは、アノルとお前二人だけだから、幼いアノルを何があっても守ってね」

アレン「うん、神様に誓うよ・・約束するよ」

私の頭の中の映像は、はっきり母との約束を映し出した・・

アレン「何言ってるんだ・・アノル頑張れ・・」

願いは虚しく「アノル」の手は私の人差し指を辿り、その身体は崖の下へと転落して行った。ほんの一瞬の時間であった、「アノル」の身体は私から離れると徐々に小さな点となり暗闇に紛れて入った。

アレン「アノル!!!!!!!!」

私は、しばらく「アノル」が転落して入った暗闇を見ていたが山賊に受けた傷から流れる朱色の液体が私の身体の回りに一斉に流れ出すと、私もその場で生き絶えてしまったのだ。

次の瞬間、目が覚めると私の前に大きな光の渦が現れそこから皇后しい姿をした綺麗な
女の人が前に立っていた。







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