小説「グレイなる一族」
二度と起き上がる事はないであろう白い大きな犬の側をずっと戦場の中でも離れなかったのだ・・
私はその白い大きな犬のすぐ近くで馬を下りるとなぜだか不思議でならないが、その白い小さな犬を抱きかかえた・・その時

セバスチャン!!

グレイ「セバス・・・なんだって?」

何処からか声が聞こえてきたのである。とても微かな声なので最初の方しか聞き取れなかったが・・「ノリス」は白い小さな犬を私が抱きかかえるのを不思議そうに見て、

ノリス「なんだ・・その犬は・・」

グレイ「多分、親犬がこの子犬を守って死んだみたいなんだ・・」

ノリス「そうじゃなく・・君みたいな無骨な戦士がそんな可愛い犬を抱いているのを見るとなんだか・・滑稽だな・・と思ってさ・・その犬をどうするつもりだい?」

グレイ「わからないが・・ここに放置するわけにいかないだろ・・連れてかえるよ・・」

ノリス「ますます滑稽な事だ。・・君が犬を飼うなんてどんな気持ちの変化だい?」

グレイ「この犬を抱いた時、声が聞こえたんだ・・セバス・・なんとかと・・」

ノリス「セバス・・??それじゃあ・・その犬はセバスって名にしろよ」

そう「ノリス」がいうとニヤニヤと先に帰っていった・・

グレイ「セバスかぁ・・」

セバス「ニャオーン♪」

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