小説「グレイなる一族」
マーガレ「あれ、この白い小さな犬はどうなされたのですか?」

グレイ「戦場に迷いこんだ大きな白い犬の側で鳴いていたから、拾ってきたんだ。」

マーガレ「グレイ様には珍しい行動ですね・・もう名前は決まっているのですか?」

「マーガレ」は大きな丸い目をきょとんとして、私と「セバス」を交互に覘いた。

グレイ「セバスと呼ぶことにした。」

マーガレ「セバス・・きっとグレイ様に拾われたのだから由緒正しき血統なんですわ(笑)」

グレイ「ふふ・・戦場で拾ったのに由緒正しき血統か?滑稽だな・・」

私たちがそんな会話をしていると、

セバス「にゃわーーーーん!」

と寝言を言ったので私たちはそんな「セバス」をみて微笑ましい気持ちになったのだ。

夜も遅くなると、「ノリス」が我が家に尋ねてきていつものように共に酒を飲む為に、バーの「アネモネ」に向かった。「ノリス」は、バー「アネモネ」の看板娘である「エリーズ」に恋している為に、戦闘が終わると毎晩のように通うのだ・・しかし戦士とは無骨者なので気恥ずかしいのか?・・一人では行かず必ず私を誘っていくのだ。私は私で酒を飲めるのなら、他の事はどうでもよく「ノリス」の供をするのだ。

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