小説「グレイなる一族」
私と「ラーマ」との暮らしは、今まで戦いで朱色に染まり続けた心を少しづつ洗い流してくれるような感じがした・・それはそれは、穏やかな日々でこの世の中から全ての災いが消えたような月日が流れていった。そんな月日が止まってしまったのは隣の村まで流れてきた噂が原因だった。

グレイ「ラーマ・・今日隣村の人に聞いたのだが、ガイア国のアロン王が何者かに毒殺さ
れたらしいよ」

それを聞いた「ラーマ」の表情は、みるみる蒼くなりその場にしゃがみこんでしまった。

ラーマ「・・・・・・・・・・父上。」

私は、何が何だかわからずじっと、「ラーマ」がしゃがみ込んで泣いている情景をただた
だ見ているしか出来なかったである。やがて少しずつ自身の事を語りだした。

ラーマ「私は、ガイア国のアロン・グラ王の一人娘なのです・・父は、近隣諸国からガイア国への自由な到来移住を許可するお触れを出してから、ガイア国にいいものも災いも入って来ました。民衆を取られた国の王達は、皆アロン王を恨み・・お触れの撤回と人質を出す事を迫ったのです。」

ラーマ「私は、人質になるのが嫌で城から抜け出し・・此処へやって来ました。」

グレイ「そうでしたか・・・」

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