小説「グレイなる一族」

しかし、現在のこの国の王は「ラーマ・グラ」である。前国王のアロン王とは違い議会を
沈静化させる力などなかった・・ガイアは外から敵に攻められているのに、中の議会で
はなかなか一つになれなかったのである。

「大体、今までバルト国を中心とした連合国を退けてきたのは、我々移住者の中に優秀な戦士が多く含まれていたからじゃないか・・そこに座っている元バルト国の勇者　アラング・レイサンドロスやノリス・ハザードらの活躍があったからこそガイアは今尚健在なのだ。」

「その勇者や移住者がこの国にやって来たからこそ、バルト国を中心とした連合国から
攻められているのではないか？」

「それを決めたのは、前国王のアロン王だ！！！」

前国王のアロン王が諸国の悪政に心を痛め・・誰にでもこの国の門を開いたのであるが、
同時に軍隊まで解体してしまったので諸国はガイアを簡単に落城させられると、連合を組み戦火の狼煙を上げそれに対向する為に、「女王ラーマ・グラ」は、自分を守るための自衛権を復活させるが一度始まった戦争は、黒か白になるかの決着を見ない事には収まらないのが人として皮肉でならない。

「ラーマ・グラ」が重たい口を開いた。

「今亡き父が目指していた争いのない人民の為の国家を作る為に今皆さんはこのガイアに集まっています。その皆さんが今ここで争うのは、ガイアの理念に反します。現在生まれてくる命よりも失っていく命の方が多いそれは、ガイアに限った事ではありません。連合軍にとっても同じ事です・・私の考えは私自身が人質として、バルト王との和平交渉に臨む所存です。」