小説「グレイなる一族」
「それは、駄目です亡き父上に申し訳ない・・」

生きる事も死ぬ事も「ラーマ」にとってはもはや自由では無くなっていた。この日の議会も戦局に変化をもたらす意見などは無く・・皆が自身の保身へと考えが移りだしているように思えてならない。

結局「ノリス」と私は、自分の意見など一つも言えずに議会は閉会してしまった。議会が
開かれた会議場に「ラーマ・グラ」の慟哭を残して・・

あの日、「ラーマ」が「女王ラーマ・グラ」に即位してから、私は「ラーマ」と間には身分という壁が存在し、いつかの山中での暮らしのようにお互いが自由に接する事が出来なくなっていたのである。「ガイア城」の城壁が壊される日が近く、壊されるまで私は「ラーマ」と会話する事が出来なかった。

・・続く
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