小説「グレイなる一族」
マーガレ「分りません・・でも敵がガイア城の中にすでに入り込んでいるようです。」

「とりあえず、此処で待っていて・・必ず鍵をして・・」

私は、「マーガレ」にそう言い残すと罵声がする東門へ向かっていた。東の門に近づくに
つれ遠くから見ていたオレンジの点はオレンジの空に変わってゆく、空をオレンジに変え
ていたのは敵が放つ火矢だった。火矢は、家屋の屋根に無限に舞い降りて、オレンジの空を増幅してゆく・・私が進む道にも容赦なく・・火矢は舞い降りて東門に近づくにつて、
容易に近づけなくなっていく。

私は、どうにか東門の様子が伺える場所まで辿り着くと、敵は堂々と東の門を通って、ガイア国に侵入していた、乗り越えたのでもなく壊したのでもなく門を開いて進入していたのだ。よく目を凝らすと松明を手にして先導しているのは、以前議会で強行に開戦論を主張していた移住してきた大臣達だった。

どんな強固な城壁も内から人の手で開けられてしまうのなら、無意味な事で私は東門の近くにある馬小屋へと咄嗟に走っていった。馬小屋の中では外での人々の悲鳴や罵声・・そして窓から見えるオレンジの火の為、どの馬も興奮していていくら馬に慣れている者と言えども、落ち着かせるのに苦労した。なんとか、一頭の馬を手なずけると急いで「マーガレ」の所に急いだ・・戦火の火は意外と早く「ガイア城」を包み込もうとしている。道に
敵兵や敵兵と戦う民衆そして打ち倒されていく人々が溢れており、私は、今まで何かと面
倒をみてくれた「マーガレ」をこの危険な地から助けたく同時に、「ラーマ」のいる宮殿にも早く駆けつけたかった。

襲ってくる敵兵のいくつかを剣で払い、我が家に向かう途中、馬の歩みを止めた

子供達「エーンエーン!!」

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