小説「グレイなる一族」
道の脇で3歳くらいの男の子と血まみれになって、倒れている女の人の背中で鳴いている
赤ちゃんを見つけた。三歳くらいの男の子は返事をしない母の名をいつまでも呼んでた、
私は倒れている女の人の背中で鳴いている赤ちゃんをおんぶ紐ごと担ぎ、泣き喚いている
男の子を馬に乗せると、再び走り出した。

我が家に辿り着き後ろを振り返ると、もう「ガイア」の半分以上がオレンジの火で照らされていた。もしも、私の家が東門に近い場所にあったのならもうこの命はなかったであろう。私は、家の中の「マーガレ」を呼ぶと馬に乗るように指示をした。

マーガレ「どうしたのですか?その子供達は?」

グレイ「ここに来る途中、親を亡くしたらしいので一緒に連れてきたのだ。」

マーガレ「さきほどノリス様が見えられ、民衆を逃がす為に西の門を開くと仰っていました。」

グレイ「・・そうか急がないと。」

私は今一度住み慣れた家に入り、今までに貯めた金貨の入った小さな袋と大きな袋を手に
した。大きな袋は、「セバス」を入れる為だ。私は「セバス」を大きな袋に入れると「マーガレ」の背中におんぶ紐で赤ん坊を固定し、金貨の入った袋と「セバス」の入った大きな袋を手渡した。

グレイ「その馬にはこれ以上乗れない・・いいかい敵が来ない内に西の門から脱出するのだ!分かったね。」

マーガレ「グレイ様はどうなされるのです?」

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