小説「グレイなる一族」

グレイ「私も別の馬を見つけて、脱出する・・いいかい以前私が暮らしていた家がガイア
国とバルト国の間の山中にあるそこに向かうのだ。」

以前、詳しい場所を「マーガレ」に教えていたので彼女は黙って頷いた。全てが馬の上に
乗ると、「セバス」が大きな袋から、ひょっこり顔を出し私の顔を見た。

グレイ「セバス・・君は戦士の犬なのだからこの三人を命の限り守ってくれ！」

私が「セバス」にそう告げると、「セバス」は・・

セバス「にゃおーーン♪」

と元気よく鳴いた。

グレイ「よし・・行け！！」

マーガレ「グレイ様・・・」

私は全ての声を無視して、馬のお尻を蹴飛ばすと勢い良く馬は走り出し闇に紛れて行った
私は全てを乗せた馬を見送ると、オレンジの火が灯り始めた南にある宮殿へと走りだした・・宮殿に辿り着くとすでにバルト国軍が包囲し始めていたのだが、「ノリス」が僅かな手勢で宮殿の入り口を守っていた。私は、近づいてくる敵兵を打ち倒しながら、「ノリス」の名を呼んだ・・

ノリス「遅いぞ・・グレイ！！」

私は「ノリス」を中心とした集団の中に入ると、「ノリス」に宮殿の中の事を聞いた。

グレイ「ノリス・・女王は無事に脱出されたのか？」

ノリス「女王が無事脱出されたのなら、こんなところで敵と睨みあっている理由などない
だろ・・女王はお付の侍女達を外に逃がすと再び宮殿の玉座の間に戻ったらしい・・」

グレイ「何故だ？何故脱出しないのだ・・」

ノリス「知るか・・俺達は女王がこの宮殿に残るのならここを守るまでの事・・俺達移住者には先代アロン王への貸しがあるのだ！」