小説「グレイなる一族」

そんなやり取りをしていると、尋問室にこの警察署ではやたら強引に事件を解決してきた。　ベテラン手腕を発揮する刑事が入ってきた。その名はマー・ロンである・・

「種族は、アメシャじゃないんじゃないかな・・多分ミクシーだよ。」

マー・ロンは、入ってくるなり私をみて後輩の警官にそう告げた。

「そうですね・・こんなに色の薄いアメシャはいないですよね・・それじゃ種族雑種に
書き直します。」

「もう早くしてよ・・今日ナイターで横浜―広島戦があるんだから・・」

今時、こんなにも野球が好きな奴がいるんだな。しかも・・ローカルな横浜―広島戦である。マー・ロンは、さっきからはかどらない尋問室の状況を腕時計や壁時計などをちらりちらりと見ながら、痺れをきらしている様子だ。

「雑種ってなんですか！！あんなものと一緒にしないでくれ」

私は、由緒正しき誇り高き高貴な血を沸騰させて大声で文句を言った・・

「はいわかりました。アメシャですね・・訂正しておきます。」

「あ？あれ？・・いや雑種じゃないと言っただけで」

「そうですね・・雑種じゃないですね・・アメシャって書いておきますね」

「やっと一つ白状したか・・もう速度あげてよ・・待っているから、とにかく早くね。」

マー・ロンは、後輩の警官にそう言うと、尋問室を出て行った。

「じゃあ次は性別に聞きますね・・オスですか？メスですか？」

「・・・・・・・」

「どっちですか？見せてもらえますか？」