小説「グレイなる一族」
一計とは・・一度何らかの方法で「グランマ」を起こし彼女が再度就寝に入るまでに
私が先に就寝するというアイディアだ。しかし、一度就寝している彼女を起こすのは
とても大変なことだ。さっきのように私が両手で彼女の鼻の穴を押さえても彼女は
起きる事なく口を開いて就寝しつづける事ができるのだ。

どうやって彼女を起こすか問題なのである。

とりあえず私は再度「グランマ」の顔横まで移動し、もう一度両手で彼女の両方の
鼻を閉じてみた。一時轟音は鳴り止むものの起きる事なく口を開いて就寝し続けている。

「グランマ」はすごい人だ・・

こんな事を何回続けている内に、「グランマ」の量鼻を押さえて一分か二分くらいは
轟音が鳴り止む法則を発見したのだ・・これを「グランマリズム」と名づけた。

今私は両手で「グランマ」の鼻を閉じている。私の推理が正しく今両手を離せば
二分くらい「グランマリズム」が狂うはず、その隙をついて就寝すればいい・・
完璧な計画ではないか・・さすが誇り高き高貴な血を宿すものの頭脳といえよう。

私は、両手で「グランマ」の鼻を閉じると・・・
轟音が鳴り止むのを待ちそれから両手を放しすかさず就寝モードに入ったのだが・・
彼女の鼻を閉じている時間が短かったせいか?直ぐに「グランマリズム」は
再開されてしまって、就寝できなかったのである。
同様の行為をこの後三度ほど続けたのだが、「グランマリズム」のタイミング
今一つ掴めないでいる。

私は、「グランマ」の胸に移動し、どうやったらこの轟音を止めることが出来るのか?
思案にくれていると、突然「グランマ」うごめきだしたのでる。

グランマ「グレイちゃん、胸の上にずっと乗っていたらお母さん眠れないでしょうが・・」

そう言って、突然「グランマ」が起き出したのである。私はこの瞬間を狙い済ましたか
のように就寝に入ったのである。

翌朝。・・

セバスチャン[昨日グレイもお母さんもすごい鼾でハモッてたよ]
グランマ[もう昨日グレイちゃんの鼾がうるさくて、寝不足だわ]

I am GALY・・
私の名は、グレイ

「グレイランド」において、就寝するのは早い者勝ちなんだなとふかふか再認識
している由緒正しき誇り高き高貴な生き物である。

< 46 / 211 >

この作品をシェア

pagetop