小説「グレイなる一族」
エピソード弐拾八 「グレイなる失敗」
エピソード弐十八 「グレイなる失敗」 

I am GALY・・
私の名は、グレイ

私は日々この「グレイランド」を統治し長として君臨する者である。

「グレイランド」にまた新しい日が昇った。
「マロン」がこの国に帰国して以来、この国の一番の早起き者の座を私は彼に
譲っているが、それはそれでいいのだ。前々回でも触れたように最近の私は「マロン」から朝食のカツオ節をもらい・・そして「グランマ」が起床してから再度カツオ節を貰っている。

私が朝食を二度貰っている事はまだ「グランマ」は知らない。
なので私の貫禄はますます増すばかりであるがこれは「マロン」が与えてくる幸せと言えるのだろう・・

「グレイランド」の朝は、大抵「マロン」「グランマ」「セバスチャン」の順で起きだして来る。私は、「セバスチャン」にも三度目の朝食をねだってみるのだが、寝起きの彼は扱えたものではないのでいつも二度の朝食で我慢している。

そうこうしている内に「一番絞りの水」で喉を潤したくなってきた。一旦この感情が
芽生えると私はそれが我慢できない。

由緒正しき誇り高き者としては相応しくないのであろう。

しかし、一旦この感情が芽生えるとどうしてもそれをしなければならない。

幸い「グレイランド」の朝は、洗面所に「マロン」や「グランマ」「セバスチャン」が顔を洗うためにやってくる。しかしこの日はどういうわけか・・「マロン」と「グランマ」が洗面所の用を終えた後に、喉を潤したくなったのである。

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