小説「グレイなる一族」

エピソード３重弐 「グレイなる回想」

エピソード三拾弐 「グレイなる回想」

I　am GALY・・
私の名は、グレイ

「グランマ」の小言はまだ続いている・・
私は、彼女の膝の上でとりあえずゴロゴロ音をだして機嫌を伺っている。
しかし、あんまり小言がうるさいので、また耳を塞ぎ瞳を閉じて、回想してみた・・

それは、この「グレイランド」に私と「セバスチャン」だけだった日々の事である。

「グランマ」が東京という土地に旅立ってから、三日目の事である。まだ私と「セバスチャン」の距離は遠いものであった。朝昼夜と「一番絞りの水」にはちゃんとありつけていたのであるが、なんせなれない「セバスチャン」との暮らしである。お互いがお互いの距離感を探ったりどんな思考でいるのかまったく計れないのである。まったく「グレイ語」が使えない男との暮らしにはなにかとこちらも気を使う・・

多分「セバスチャン」の方もそうなのであろうが・・

そんな日々が流れていく中、なんと「セバスチャン」の方から私に歩み寄ってきたのであるまあ二人だけの「グレイランド」で悪くない事ではあるだが、歩み寄りとは彼は何処かのスーパーで「カツオ節スライス」を購入してきてくれたのである。もちろん「グラマ」は「グレイランド」に不在で食べ放題なわけで私はあっというまにそれを食べてしまた。

こうして、私と「セバスチャン」の仲は急速に接近していたのである。
私は、その夜少々照れくさい事ではあるが思い切って「セバスチャン」が就寝するベットに潜り込んでみたのだ・・彼は少しびっくりしたようだがちゃんと私用のスペースを空けてくれたのだ。

誰かと仲良くなるのも気持ちの良いものでそれからの日々は常に彼と一緒に就寝
する事になったのである。