小説「グレイなる一族」

「セバスチャン」が起きれば私も起きだし「セバスチャン」が眠れば私も眠り
「セバスチャン」がご飯を食べていれ私もカツオ節を食べている。ある意味、「グランマ」不在の方がカツオ節の配給量が多くなるので好ましいとさえ思っていたんだ。

私は大体「セバスチャン」と一緒に就寝する時は、彼の枕の右横で眠るのが癖になっていた。しかし、どういうわけか？私がその場所で就寝する事を「セバスチャン」は嫌うのである。なので大抵の場合は、彼の足元で就寝する事になるのだが・・

しかし、そんな日々も長くは続かないものでとうとう「グランマ」が「グレイランド」に
帰国してきたのである。それはそれですごく喜ばしい事であるのだが困った問題が浮上したのである。

就寝する時、「セバスチャン」もしくは「グランマ」どっちのベットに行けばいいのだ？

「セバスチャン」は「グランマ」不在の時一生懸命尽くしてくれたので義理があるし、
かといって「グランマ」は一ヶ月ぶりの再会である。

誰からも愛される由緒正しき誇り高き高貴な生き物だけが持つ悩みと言えよう・・

とりあえず、その日の就寝は最初は「グランマ」のベットに行き就寝し。目が開くと
「セバスチャン」のベットに行くようにしたんだ。本当に就寝がこんな風になると

ものすごく気を使う・・・

しかし、「グランマ」が帰国して日が過ぎる度に私の世話を「セバスチャン」は
怠るようになり、次第に「グランマ」との就寝が多くなり始めたのである。

これに面白くないのは「セバスチャン」だ。彼は、「グランマ」不在の時に一生懸命私に尽くしてくれたので私と「グランマ」が仲良しになるが面白くないのである。

そこで、彼は彼なりに考えたのであろう・・