小説「グレイなる一族」
それは、「グランマ」が東京という土地に旅立って、この「グレイランド」に私と「セバスチャン」だけだった日々の事である。本日も一日が終わり、「セバスチャン」と共に就寝する時の事である。私は常に「セバスチャン」がベットに入って彼が先に就寝するのを確認してから、彼のベットに入り眠るのを癖にしたのである。理由は彼よりも先にベットに入ると決まって彼は、私の身体あちらこちらを触ったり就寝場所をあれこれ指定したりきわめつきは、「お休みのキス」を何度もされ実に落ち着きがないのだ。

言うなれば、起きている「セバスチャン」は私にとって有害な生き物だが眠っている「セバスチャン」は私にとって無害な存在なのである。

この事を理由として、私は絶えず彼が就寝してからベットに入るようにしているので本日もその手順でベットで快適な就寝を楽しめている

由緒正しき誇り高き生き物だけが持つ知恵と言えるだろう・・

My name is セバスチャン
私はセバスチャン。

またグレイがベットに入ってきた・・「グランマ」が東京に旅立って以来グレイと一緒に就寝する日々が続いているのだが・・すごく眠いのだ。なぜなら、いつもこの猫は私がウトウトし始めた時にベットに飛び乗ってくる。8.5kgの体重がいきなり胸の上に飛び乗ってくるのだ。眠れるはずがない・・他にも気が付くと私のベットのど真ん中で大の字で眠っているため・・私の身体は九の字になりベットの隅で身動きが取れなくなる・・
また布団の上で寝られると布団が全然動かないのだ。

どうして猫の為にここまで私は遠慮しなければならないのだ・・

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