小説「グレイなる一族」
エピソード傘寿六 「グレイなる対決」
エピソード三拾六「グレイなる対決」

I am GALY・・
私の名は、グレイ

私は愛と勇気とカツオ節と煮干でこの「グレイランド」を統治する者である。

私は、「グレイ広場」から異世界と言うべき下界を覗いている。
この「グレイランド」の下界には、レンタルビデオ店があって眺めていると結構人の往来
が激しいのだ。たまに同じ種族の生き物同士が真夜中に喧嘩をしていたり、大きな罵声を浴びたりするのを見ていると何の変化のない日常でもワクワクする事がある。

今日は、その下界を覗いていると向こうの方から痩せた私と同じ種族であろう
「野良」がノコノコ歩いてくる。この「野良」は痩せている癖に眼光の鋭い奴なんだ。
私という生き物とまったく色が違うものの最近よく下界を覗いているとその姿を見かけ彼に見えないように様子を伺っていたのだが、本日は私窓ガラスからかなり身を乗り出していた為、その「野良」と目が合ってしまったのだ。

多分この「野良」は歴戦の勇者のはずである。

その眼光はどんな生き方をしてきたのか?まっすぐ斜めに向いており私の種族が普通もっている誰からでも愛される容姿がまったくないのである。

身体も細く何から何までまったく私とは真逆の存在なのである

しかし、私はこの「グレイランド」の長だし毅然とした対応を目があったのならしなけれ
ばならず、しばらくその「野良」と見つめあっていたのだが、この「野良」は次第に

「グーグーオー(怒音)」

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