小説「グレイなる一族」

私は掛け声と共に「グレイ通り」を駆け抜けた。すると、私の掛け声に「グランマ」が行く手を
遮り私の身体を持ち上げた。どうやら私に抱擁したいらしい、まったくこんな時にだしかし、
この「グレイランド」において彼女のご機嫌を損ねる事は出来ないのだ。

彼女のご機嫌を損ねる事イコールそれは、煮干、カツオ節の配給問題やそれらの完全
自由配給論議を長引かせる問題になりかねないのだ。此処は大人の対応をしなければ
ならないのだろう。仕方ないちょっとだけ、付き合ってやるか・・しかし、「グランマ」は軽い
抱擁ではなく強めの抱擁も要求してくるのだ。これだからメスという奴は面倒臭いのだ、
もう少しだけだぞ。その時、

［ギャー痛い！！！！！］

しまった、うっかり「グレイクロー」をお見舞いしてしまったのだ。
「グランマ」の肩には三本の爪跡が生生しい・・違うんだこれは「対マロン用」なのだよ。
「グランマ」が戦闘前に抱擁を求めるからいけないのだよ・・

ギャーゴメンってゴメンってグランマ・・

グランマ［グレイちゃん、なんでこんなに爪が長いの、お母さん痛いでしょうが・・お父さん、
グレイちゃんの身体を押さえててくれる、爪切るから］

マロン［分かったよ。こっちへ連れておいで］

こうして、私の自慢の「グレイグロー」は「マロン」にお見舞いする事もなく切られてしまった。
こうなれば食事の後、「グレイパンチ」と「グレイキック」の合わせ技で戦闘に挑むだけだ。
私は夕食会場に向かうと何とそこには、マロンの姿が・・

マロン［グレイちゃん、カツオ節が好き何だって］

そう言いながら、私の食器にカツオ節を入れてくれたのだ。それもなんと沢山・・
彼は「グレイランド」に来てからまだ日が浅い為と彼の手は「グランマ」よりも大きい為
沢山の量のカツオ節を食器に入れてくれたのだ。この瞬間私は、「マロン」の事を

「ちょっと良い奴なのかも」

と想い更に彼は、煮干をも食器に入れてくれたのだ。それも沢山・・この合わせ技には
流石の私も完敗だ。

素直に「グレイランド」へウエルカム「マロン」と思ってしまったのだった・・


I　am GALY・・
私の名は、グレイ

全てを結果オーライに変えてしまうことの出来る誇り高き生き物である。