小説「グレイなる一族」
彼は、お洒落に目覚めたのである・・

彼の髪型は天然のウェーブが掛かっている為、普段は短くしているのだがその髪型を伸ばし始めたのである。

もはや、髪を伸ばし始めた「アーノルド」は「アーノルド坊や」の面影がなくなり言うなれば「ダニエル」になったのである。

しかし、「ダニエル」が「ダニエル」で居られる時間は非情に短かった、彼は髪を伸ばし始めてから、しばらくした日の夕食時に「マーガレット」が髪を切るように彼に命じたのである。

「マーガレット」には天然のウエーブが気に入らないらしいのだ。彼女が彼に一度命じられると彼はそれに必ず従わなければならない・・ある意味、「マーガレット」この「グレイランド」に滞在している間は、彼女が一番の強者かもしれない・・それほどの威嚇を彼女は、「アーノルド」に与えているんだ。

まだ「ダニエル」はそういう意味では子供のままなのである。髪を切られた「ダニエル」はやっぱり「アーノルド」であった。

I am GALY・・
私の名は、グレイ

やっぱり「アーノルド」は「アーノルド」でないとと思うだが私が貫禄を身に付けるようにいつかまた彼は「ダニエル」になるのであろうなと考えている由緒正しき誇り高き高貴
な生き物の一族の末裔である。
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