小説「グレイなる一族」
「セバスチャン」は私をしっかりハグすると私で遊ぶだけ遊んでその手を離してしまった
のだ、私の両頬をつまんだり押したりして、グレイ子顔バージョンといって散々もてあそ
んだ癖にその対価を払わないのだ・・さんざんもて遊んだくせにだ。

私は、彼にお腹が減ったので食器に鰹節を配給してくれるようにお願いしているのだが彼はそれをちっともわかろうとしてはくれないのだ。

そうこうしている内に「セバスチャン」が食器のある洗面所に向かって歩き出した。

これぞ待っていたチャンスなのだが

洗面所に向かう彼を追い越し食器の前に辿り着くとおもいきり念を込めて私は「セバスチャン」を見上げこう言った。

グレイ「お腹が減った!!」

私の渾身の願いが届いたのか・・彼は黙って食器に鰹節をいれてくれたのだ。私は「グランマ」に見つからないように慌てて食べアカデミー賞ものの演技力で食べてませんよと、演技しながら「グレイ広場」に戻ってきたのだが・・

慌てて食べたのが悪かったのか・・「グランマ」の見ている前でさっき食べた鰹節をすべて吐き出してしまい・・また「グランマ」に怒られる事になったのは言うまでもない。

I am GALY・・
私の名は、グレイ

演技力は抜群なのだが今度は、ゆっくり食べよう心に誓う由緒正しき誇り高き高貴な生き物の一族の末裔である。

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