小説「グレイなる一族」
エピソードⅥ 「偉大なるグランマ」
エピソードⅥ 「偉大なるグランマ」
 
I am GALY・・
私の名は、グレイ

私は、ある悪の秘密結社から、「グレイランド」を守る誇り高き高貴な者だ。

グランマは、非情に語学の優秀な私の世話係だ。なんとこの「グレイランド」において
唯一私の言葉を理解できる才女なのである。非情に頼もしい存在なんだ。
それ以外の「語学」も彼女は、日夜勉強し続けている頑張り屋でもある、
そう説明している内にグランマの「語学」を勉強する声が「グレイランド」に響いてくる。

[ヒッツウチィー・・ヒッツウチィー・・ヒッツウチィー・・]

グランマは、携帯電話という物を持ちながらどうやら、中国大陸の言葉を繰り返して
いるようだ。非情に綺麗な発音ではないか、まったく彼女の頑張りを私も誇り高き生
き物として、見習わなくてならない。なにやらセバスチャンが、グランマにそれは、

[非通知でしょ・・アクセントおかしいよ母さん]

と言っているようだが、私はそんなグランマが大好きだ。
グランマの仕事は、「グレイランド」の食料の配給と美化掃除だ。
グランマに逆らうとセバスチャンもアーノルドも私も、ご飯やおやつを食べることは
出来ない。「グレイランド」において、それは暗黙の条件として皆が理解している。
しかし、グランマよ。一つだけ貴方に私は、言いたい事があるのだ、私は太っている
のでない・・貫禄があるのだ。断じて太りすぎでもない・・さらに「グレイランド」の長として、
必要不可欠な貫禄を備えなければならないと思うのだが・・違うかね。

だから、カツオ節を下さい。カツオ節を食べさせて下さい。
もう三日も配給されてないのです。煮干でもいいんですけど・・
いえ贅沢は言いません少しで良いんです。

グランマはこの話題に限って、いつも私の「声」が聞こえなくなる。

[グレイちゃんダメよ、いつまでも貴方には長生きして欲しいのだから・・]

I am GALY・・
私の名は、グレイ

私は、我慢のできる誇り高き生き物である。あーあ食べたいカツオ節食べたい・・
セバスチャンに頼んでみようかな・・
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