小説「グレイなる一族」
そうこうしている内に、ブラウン管の中に私と姿形そっくりな猫が映し出された。

セバスチャン「お・・グレイとそっくりだね・・でもこっちの猫の方が凛とした顔してるね」
グランマ「うんうん・・そうだね」

まったく散々ではないか?いつのまにか私という生き物は色んな他の生き物と対決させられなおかつ負けにされてしまっているのだ。

まったく「セバスチャン」はなんという物を借りてくれるのだ。私には私の言い分があり、私だってしかるべき準備をして、ブラウン管の中に写しだされているのなら、何処かの家で飼われている他の生き物の家族にカワイイと言われる自信はすごくあるのだ。

やがて、このDVDが終わった頃「グランマ」は私のお腹で頬を埋めながら、一言こう言い放った。

グランマ「グレイちゃんアンタは、どの猫よりも不細工!!でもカワイイ」

私は、本当に思ったのだがそんな風に言われてもまったく嬉しくない。

I am GALY・・
私の名は、グレイ

最近、座るとお腹の貫禄で後ろ足が全て隠れて見えない事を理由に再度ダイエットの指示をされている由緒正しき誇り高き高貴な生き物の一族の末裔である。



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