小説「グレイなる一族」

この梅雨の時期に私自身そして、「セバスチャン」や「グランマ」なども気付いた事
なのだが私という生き物は、彼らに抱擁される際、それぞれに特徴があるらしいのだ。

私は、普段「グランマ」にされる抱擁の方法は大抵の場合、彼女の左腕にお尻を乗せ前足二本を彼女の首に回し、そして彼女の肩に自分の顎を乗せるのがベストポジションになっている。一方「セバスチャン」には、赤ちゃん抱っこされる事がベストポジションになっている、この二つの理想的ポジションは、「グランマ」に赤ちゃん抱っこされても何だか収まりが悪く、また「セバスチャン」に「グランマ抱っこ」されても収まりが悪いのだ。

この事の原因として、真に言い出しづらいのだが「グランマ」はその有り余るお腹の貫禄が肉布団の役割を果たし、収まりが良いのだ。一方「セバスチャン」は「グランマ」のようにお腹に貫禄がついておらず、「赤ちゃん抱っこ」が収まりが非常に良いのだ。

かくして、「セバスチャン」及び「グランマ」は抱擁の方法が違うのだが・・まだ他の国の住民達には言えない秘密などがある。

私の性別は、過去に触れられたくない性別なのだ。メスの「グランマ」はとりあえず私は、オスとして彼女をリードしなければならず、彼女のいない「セバスチャン」にはその心の隙間を少しでも埋まるようにと、「赤ちゃん抱っこ」もしくはそれの発展形の「お姫様抱っこ」などして彼らの寂しさを少しでも埋まる事ができるようにと計らっているのだ。

そんな風に「梅雨時」には私は私なりに細心の注意を払ってやっているのだ・・

セバスチャン「なんか・・僕と母さんではグレイも抱っこされ方が違うようね・・
ちょっと僕の方法で抱っこしてみて・・」

グランマ「あら、本当だね・・でもこの時期グレイもよく毛が抜けるから・・
抱っこしない方がいいかもね」

I　am GALY・・
私の名は、グレイ

私は、この「グレイランド」の住人一人一人にあったストレスの解消も考えなければなら
ない、由緒正しき誇り高き高貴な一族の末裔である。