隣は秘密の花先輩
「は、HanaEATS帰ります。まだお届け終わってないので」
「そのクソくだらないネタ続いてたのかよ」
「うるせーですわよあばよ!」
「明日から小学校行け、マジで」
彼は、またもや鼻で笑いながら私が届けたご飯を早速食べ始める。私は「腹が減っては戦ができぬ」と言って立ち上がり、逃げるが勝ちと言わんばかりに部屋を出ようとする、と。
「花」
名前を呼ばれ、ドアノブにかけていた手を止め、ゆっくり振り返る。
「おやすみ、花。」
そう言って花が綻ぶように微笑んで私を見つめる彼に、私はいとも簡単に溶かされてしまうのだ。
キュンが止まらなくなって、私は慌てて部屋から逃げた。
「…あっ、あばよ!」
「(ほんと馬鹿だなあ)」