いきなり人気俳優の婚約者になりました。~絶対秘密の同居生活~
「こういう事態になってしまったからに決まってるでしょう」
佐保さんが冷たい口調でピシャリと言い放つ。
「今、あなたの行動に注目が集まってる。マスコミにマンション前を張られることだってあるでしょう。
柏木さんも、一般人だから実名は出ないしモザイクがかかるとはいえ、乙藤竜生とああいう記事が載る以上、身元を特定されないとも限らない。
これは彼女を守るためよ」
「……っ」
采斗がぐっと俯いて、両手を強く握った。
…わかってる。
もしそうなったら、私たちの同居がバレるのだって、きっと時間の問題。
これが最善で、最適な解だ。
「……わかりました。明日の朝…出ていきます」
「優里!?」
「そう、わかったわ」
佐保さんが部屋を出て行く。
采斗はまだ何か言いたげだったけど、引き止めたりはしなかった。